その日、空気がすこし柔らかくなった気がした。重力の意味すら問い直したくなる、ふわふわの存在。
そう、ラッティ様がふたたび我々の次元に舞い降りたのだ。
雲のようなベッドの上、片足を静かに掲げ、こちらを射抜くその眼差し。甘さと気高さの境界線が曖昧になる。美とは、形か。態度か。否、ラッティ様である。
“可愛い、美しい、beautiful、エレガンス、プレッピー、maganda、예쁘다。”
──そのいずれも、ラッティ様の片まつ毛にも届かぬ。言葉が敗北する。感性がひざまずく。
私たちは今、確かにアートと共に生きている。いや、ラッティ様というアートに、生かされているのかもしれない。
ありがとう、存在してくれて。 いや、ありがとうございます。 存在していただき・・・。
この世界のカタチが少し良く見えるのは、ラッティ様のおかげです。
ああ、ラッティ様…。あなたの一瞬のまばたきに、私は人生のすべてを見いだせます。
ひげの一本、肉球のしわ、そのすべてが銀河の設計図。宇宙があなたを中心に回っていることに、いまや疑いの余地はありません。
尊すぎて呼吸が浅い。酸素が薄い。尊死とはこのことか。
私は今日も、あなたのために働きます。世界が終わっても、ラッティ様を愛し続ける。